ホエイプロテインの種類
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WPC(Whey Protein Concentrate) コンセントレート
現在もっとも多く市場に出回っているホエイプロテインが、このWPC(濃縮ホエイプロテイン)。まずは牛乳をカゼイン(牛乳に含まれるタンパク質の一種。消化吸収が悪く、あまりプロテインの材料としては向いていない)とカード(凝乳。ヨーグルトのこと)に分離します。 このカードを酵素処理し、水を抜いて行くとチーズが出来るのですが、その抜かれた水にホエイが含まれるのです。ヨーグルトを食べると、上澄み液を見ることがありますが、それがホエイ。そこから水分を抜いて精製したものが、WPCとなります。WPCのタンパク含有量は、平均して100gあたり70~80gです。
牛乳を飲むと下痢してしまう人は不向き
WPCには乳糖がかなりの割合で残っており、牛乳を飲むと下痢してしまう乳糖不耐性の人の場合、WPCでも同じようなことが起こってしまいます。この場合、WPIを選ぶようにしましょう。価格はWPCよりも少し高くなりますが、タンパク含有率が高いことを考慮すると、タンパク質1g当たりでの価格は大差ないものです。
WPI(Whey Protein Isolate) アイソレート
WPCには乳糖や乳脂、灰分などが含まれる。それらを取り除いてタンパク含有量をさらに高めたものがWPI。WPIのタンパク含有量は100gあたり90g以上。また精製度が高い分、WPCよりも消化吸収速度は早くなります。 なおWPC→WPIとするときの処理方法として、「フィルター膜処理」あるいは「イオン交換樹脂処理」などがあります。フィルター膜処理の方はタンパク質を低温で処理できるというメリットがあって、熱による変性の心配がありません。しかし余計なものを除去して純粋なタンパク質だけを取り出すという点では、イオン交換樹脂処理の方が優れており、タンパク含有率の高さを求める場合にはイオン交換樹脂処理が勝っています。
WPH(Whey Protein Hydrolysate) ハイドロセイト
WPCに酵素を働かせ、アミノ酸の細かい繋がりにまで分解したものがWPHです。別名、ホエイペプチドとも呼びます。すでに消化されている状態のため、胃腸への負担は少なくなります。消化吸収もWPCやWPIに比べ、少し早くなります。 ただしフィルター処理やイオン交換樹脂膜処理はしていないため、タンパク含有率としてはWPIよりも低くなります。また価格も高くなります。 WPHはペプチドにまで分解されていますが、ペプチドといっても大きさはいろいろです。アミノ酸が2個のジペプチド、3個のトリペプチドにまで分解されていれば非常に消化吸収が早くなりますが、もっと大きな分子の場合、WPIと比べてそれほど違いはありません。
消化吸収が早いと浸透圧性下痢を起こしやすい
浸透圧性下痢とは、吸収されていない物質が腸の中に高濃度で存在するとき、体液が腸の中に出て行くことによって腸の中の水分を増やし、濃度を調節しようとします。しかし腸の中の水分が増えることは、下痢の原因ともなってしまうわけです。
乳糖による下痢も、浸透圧性下痢の一種です。
乳糖を消化できない人は、腸内に乳糖が蓄積→濃度を調節する→腸内の水分増加→下痢という流れになるわけです。人口甘味料の摂り過ぎによる下痢も、これと同じメカニズムです。
WPHやアミノ酸は消化吸収が非常に早い
腸の中の濃度が急速に高まってしまうため、この浸透圧性下痢を引き起こしてしまいがちなのです。ただしこれらは吸収されない物質というわけではありません。少しずつ小分けにして飲むようにすれば大丈夫です。濃度が急速に高まらないため、浸透圧性下痢を引き起こすこともありません。その代わり、WPHやアミノ酸の持つ「消化吸収の早さ」のメリットも失われてしまうことになりますが。
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