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朝食前 vs 朝食後 有酸素運動のメリット
栄養摂取前に運動することと、栄養摂取してからの運動は体の中での反応しているかを比較試験したものです。
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism
19 October 2019
Lipid metabolism links nutrient-exercise timing to insulin sensitivity in men classified as overweight or obese
結果:
食事前に運動した方が、脂質利用率の増加
食事前に運動した方が、食後インスリン血症の減少
急性試験
朝食前運動群vs朝食後運動群では、遅筋(net change: -3.44±2.63% versus 1.44±4.18% area lipid staining, p < 0.01)と速筋(-1.89±2.48% versus 1.83±1.92% area lipid staining, p < 0.05)の脂質の利用率が高まった。
トレーニング試験
食後血糖は、炭水化物摂取前vs炭水化物摂取後の6週間の運動トレーニングによる差異は見られなかった(p > 0.05)。しかし、食後インスリン血症は、炭水化物摂取前の運動トレーニングで減少したが、炭水化物摂取後では認められなかった(p =0.03)。
結論:
運動トレーニングと代謝の健康を調査する実験では、
栄養素‐運動のタイミングを考慮する必要があり
- 栄養素摂取前(絶食状態)ともに栄養素摂取後の運動は、脂質利用に有益に作用するが栄養摂取前の方が脂質利用は高くなった
- 栄養素摂取前(絶食状態)の運動は、食後インスリン血症を軽減する。
- やはり運動中に脂肪の利用比率が高まります。
- 炭水化物の摂取前に運動すると高インスリンレベルが低下しました。
- 炭水化物摂取後の運動に比べ摂取前の運動が全身の脂質利用率約2倍高い
- あくまでも運動中のエネルギー燃料としての脂質の燃焼比率が上がったということ
- 運動中の全身の炭水化物利用率は減少した
- 累積エネルギー消費量は群間差がなない
- 体重および全身の脂質利用のピーク容量変化にも群間差はない
体脂肪の減らし方や有酸素の取り入れ方がわからない場合の一つの目安になると思います。
朝食前に有酸素運動を取り入れること体脂肪の利用率を上げて落としやすくすために有効ですが、強度が高くなるとコルチゾールの影響が強くなります。強度は低い方が良いです。低い強度の有酸素ならば、コルチゾールを低下させ、食欲を軽減させてくれます。運動で体脂肪を落とすというよりは、やはり食事コントロールで減らす方が効率がいいですね。
以下試験内容です
目的:
栄養素-運動のタイミング、つまり、栄養素摂取前vs 栄養素摂取後の運動が、過体重/肥満の男性の全身と筋肉内の脂質利用、骨格筋の順応、および経口グルコースインスリン感受性(OGIS)に及ぼす急性ならびに慢性効果を評価すること。
介入:
この研究は2つの実験で構成されている。最初に栄養素‐運動のタイミングの違いによる急性代謝とmRNA応答を評価し(急性試験)、続いて6週間のランダム化比較試験で炭水化物₋運動のタイミングに応答する長期的な順応を評価した(トレーニング試験)。
急性試験
無作為化クロスオーバー研究
被験者はBMI平均±SD 30.2±3.5の過体重/肥満でセデンタリーの男性12名で、定期的に運動している、或いは、高血圧や2型糖尿病の疑いのある者は除外した。
1回目の試験(朝食‐運動)では、1日に必要なエネルギー消費量の25%相当の標準的な朝食(炭水化物65%、脂質20%、タンパク質15%)を割り当てた。
90分の休憩後にpeak VO2 65%でサイクリングを60分行った。
日を変えて2回目の試験(運動‐朝食)を行った。
プロトコルは1回目と同じだが、朝食は運動後に外側広筋筋生検サンプルを採取したあとで摂った。
急性試験の主要評価項目は、栄養摂取前の運動中vs栄養摂取後の運動中の筋肉内脂肪の利用である。
トレーニング試験
単盲検、無作為化比較対照試験
栄養素(炭水化物)₋運動のタイミングの違いに対する長期(6週間)の順応性を評価
被験者はBMI平均±SD 30.9±4.5の過体重/肥満でセデンタリーな男性30人とし、運動なしの対照群(CON; n=9)、運動前に炭水化物のみの朝食群(CHO-EX; n=12)、または炭水化物のみの朝食前に運動群(EX-CHO; n=9)に割り付けた。運動は、1〜3週目に50%ピーク出力(PPO)、 4〜6週目に55%PPOのmoderate強度のサイクリング週3回
被験者は前日の20:00までに食事を済ませた。
CHO-EX群にはマルトデキストリン(炭水化物)ドリンクを運動前に、プラセボ飲料を運動2時間後に割り当てた
EX-CHO群には同じドリンクを、順序を逆にして割り当てた
CON群には朝食(0800-0900h)として同じ炭水化物ドリンクを、昼食(1100-1300h)にはプラセボを週3回割り当てた。
これにより、運動中の脂質利用の増加に関連する経口グルコースインスリン感受性OGISの増加(25±38 vs -21±32 mL.min-1.m-2; p=0.01)が生じた(r = 0.50、p = 0.02)。
栄養素摂取前の定期的な運動は、骨格筋のリン脂質のリモデリングおよびグルコース輸送タンパク質GLUT4のタンパク質含有量も増加させた(p < 0.05)。
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