「朝ごはんを抜くと太る」は都市伝説です!

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朝食抜きでも体重の変化はない

朝食と健康/肥満の因果関係

英国バース大学 /Nottingham大学の共同研究チームは2014年6月に、スリムで筋肉質な成人を対象としたランダム化比較試験を行い、「リーンな成人が朝食を毎日摂ると、身体活動量が高まり全体の食事エネルギー摂取量が増大した。しかし、安静時の代謝変化は認められなかった。心臓血管の健康指標は朝食あり/朝食抜きのいずれにも影響されなかったが、朝食ありは朝食抜きより午後と夕方の血糖が安定した」ことを発表しています
今般、同チームは肥満の成人を対象としたランダム化比較試験を行い、朝食ありと朝食抜きの間でも体重の変化はないことを報告しています。

American Journal of Clinical Nutrition
First published February 10, 2016, doi: 10.3945/ajcn.115.122044
The causal role of breakfast in energy balance and health: a randomized controlled trial in obese adults

目的:朝食習慣とエネルギーバランスとの因果関係を調べる

本研究では、自由生活での朝食習慣とエネルギーバランスとの因果関係を調べるためにランダム化比較試験を行った。

背景:
肥満者の朝食と健康の因果性は明らかになっていない。

結果:代謝/心血管の健康には群間差は生じなかった(P = 0.05)

午前中の身体活動熱産生
朝食抜き群<朝食あり群
(差分: 188 kcal/d; 95% CI: 40, 335)

24時間では一貫した効果は無かった
(差分: 272 kcal/d; 95% CI: −254, 798)

エネルギー摂取量には有為な群間差はなかった
(差分: 338 kcal/d; 95% CI: −313, 988)

体重は両群共に経時的に増加したが、
体組成および安静時代謝量には変化はなかった(8 kcal/dayで安定)

経口ブドウ糖摂取した場合のインスリン反応は、
朝食あり群↓減少
朝食抜き群↑高まった

代謝/心血管の健康には群間差は生じなかった(P = 0.05)

結論:
体重およびインスリン感受性を除く健康アウトカムには群間差はなかった。

肥満の成人では、毎日朝食を摂ると午前中の身体活動量は高まり、朝食を抜くとその後の食事の摂取量が代償的/部分的に増えたものの、体重およびインスリン感受性を除く健康アウトカムには群間差はなかった。

インスリンに関しては朝食なしの場合高く反応してしまうが健康に基本的に差がない。




デザイン:
“Bath Breakfast Project”と呼ばれる本研究は、イングランド南西部のコホートにおける21~60歳の成人男女を対象として追跡調査を行ったランダム化比較試験である。
二重エネルギーX線で測定した被験者の脂肪量指数は、女性(15名)≤13 kg/m2、男性(8名)≤9 kg/m2だった。
エネルギーバランスの構成要素(安静時代謝量/身体活動熱産生/食事誘発熱産生/エネルギー摂取)を自由生活の条件下で測定した。
被験者を無作為に2群に割り付け、一方には毎日11:00前に朝食≥700kcalを割り当て(朝食あり群)、もう一方は12:00迄何も与えず空腹状態にした(朝食抜き群)。
実験期間は6週間とした。
血液細胞/脂肪生検など健康マーカーをベースライン及び追跡期間に測定した。

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